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お葬式と終活の豆知識
ファミール独自インタビュー|埼玉県行田市上池守・行田・大字須加のお寺情報3選
(株)ヨコカワのスタッフが、行田市内の寺院を訪問し取材し発信していく「行田市のお寺情報」。今回は、行田市上池守・行田・大字須加のお寺情報をご紹介します。
目次
①真言宗智山派 持寶院 延命山
歴史好きにはたまらない!
当山32世にあたる現御住職の数ある趣味の1つである写真。客殿内の壁には、御住職が境内で撮影した四季折々の写真がズラリと並ばれてます。ここでは、様々な寺院の風景が覗えます。
同じく客殿内の写真の上には、歴史の教科書に載せてあるような挿絵がズラリと並びます。大政奉還や生麦事件など、歴史の教科書でしか見たことのない当時の様子が鮮明に描かれた挿絵。歴史好きにはたまりませんね!檀家様からの寄付のようですが、これだけ揃っているのは珍しいです。
そして、特に山門前の桜(ソメイヨシノ)や墓地水汲み場近くの蓮は見事な花を咲かせていました。
持寶院
行田市上池守727-5
℡048-556-5746
②浄土宗 大長寺 亀通山行田院
国道125号線から見える大仏様が有名!
大長寺といえば、国道125号線から大きな背中が見える、大仏様が有名ですが、現在の大仏様は平成八年に再建されたものです。
以前の大仏様は、江戸時代、当時の忍藩主阿部豊後守家から当家の菩提寺という縁もあり、享保年間に寄進されたものでした。しかし、先の大戦で梵鐘とともに供出されてしまったそうです。現在の大仏より、ひとまわり小さかったといいますが、壮麗で厳かな露座の大仏でありました。
また、大仏様の前に大仏様を崇拝するかのように、様々な石像がありますが、中には「ドラえもん」など皆様おなじみのキャラクターの石像も窺えます。
山門入り参道のすぐ右側に、足元に白い塩が盛られた御地蔵様が祀られています。1600年頃の建立といわれるこの「塩地蔵尊」は、遠い昔より、人々の様々な悩みや願い事を有り難い御慈悲によってお救い下される御地蔵様として大変評判です。人々はお参りの際や救われたお礼の際は、塩を手向けお礼をしたので、御足元が塩の山になりました。
元亀、天正の頃、京都知恩寺第29世岌善上人が奥州方面に巡教された際、斎条村の農家、原口与左衛門とその一族の帰依を受け大長寺を建立し、その後前述の通り忍藩主阿部家の菩提寺となり全盛を極めました。
現在の本堂は昭和58年に新築。鉄筋コンクリート造り2階建て。大長寺の本堂は長い歴史の中で度々火災に遭い、特に明治初年(1868)の火災では貰い火で全焼。数ある寺宝のほとんどが残念ながら焼失、散逸に。当初の露座の大仏や梵鐘は戦争で供出してしまいました。その為、忍藩主阿部家の菩提寺という往時を偲ばせる貴重なものが数少なくなってしまったそうです。
そのような状況の中、文政二年(1819)千重姫君寄贈、狩野重政筆の「涅槃図大掛け軸」は大変貴重です。掛け軸の幅は両手を広げた幅よりも広く、色も鮮明に残されています。
御本尊前の法事会場には、各座席前にひとつずつ木魚が置かれています。
柱には「よろしければ木魚を御一緒におたたきください」の案内が貼られており、法事の際には参列者全員が、御住職の読経に合わせ木魚を鳴らすそうです。御住職の粋な計らいなのか、中には蛙の形をした木魚(?)も幾つかあります。大長寺に法事に来られた方は、この御茶目な蛙の木魚を見つけて、たたいてみてくださいね。
大長寺
埼玉県行田市行田23-10
電話048-553-0466
③長光寺 曹洞宗松雲山
かつてはこの付近に「須加城」という忍城の支城があり、忍城主成田氏長の妹は、当時の須加城代の妻でありました。しかし須加城は、映画にも描かれている通り、忍城目指して破竹の勢いで攻め上がってくる石田三成率いる豊臣軍によって、館林城、川俣城に続いて落城されてしまいます。
須加城落城後の文禄2年(1593)4月、長光寺は上野国利根郡池田村(群馬県沼田市)龍華院第15崇山奬大和尚によって、須加城跡地付近である現在の地に開創されました。利根川堤防のすぐ下、隣には須加小学校があり、堤の上からは境内が一望できます。
平成8年、開山400年に本堂を改修。そして本堂内には本尊の釈迦牟尼仏の他に、金色に輝く千手観世音菩薩像が存在します。
平成14年には本堂裏に開山堂の改築、そして今年は鐘楼の改築を実施しました。また鐘楼の手前の松の木は、阿部氏が忍城主を勤める時代の頃からのもので、それを示す石碑があります。
近年は、隣接する農協の米蔵を、「石ノ蔵 空華」として改築。俳句会や大晦日のコンサート等、様々なイベントが行われる会場となっております。
この寺に眠る川島奇北は、県会議員、旧須加村の村長を経た後、正岡子規の門弟となり、埼玉県内の俳誌のほとんどを指導してきた埼玉の明治俳壇三傑の1人。県会議員や村長時代は、この地域の護岸工事等に尽くしてきました。
そんな奇北を顕彰し毎年「奇北忌俳句大会」が開催されますが、この大会の最優秀作品の俳句が、参道の両側に並ぶ灯篭の下に石碑に刻まれ並びます。
それ故に、この寺は別名「俳句寺」とも呼ばれています。俳句を趣味にしている方にとって、自分の俳句が碑になるのは夢でしょうね。
本堂の奥へ進むと、平成14年に建立した「開山堂」に入ります。現在増えつつあるロッカー式の納骨堂、そして行田の仏像彫刻家「しゃかりき堂」さんの製作した仏像は必見です。
そして境内に何やらガラス張りの展示小屋を発見。中には人力車のような物が展示してあり、住職に尋ねると、これは手引きの霊柩車で、まだ土葬の時代に実際使用したものだそうです。
葬列を組んでこの「棺車」を転がした古からの葬儀は、平成の時代になってすぐに1度だけ行って、それが最後となったそうですが、意外に最近まで行っていたので驚きました。
現住職は福島伸悦氏。10年ほどアメリカで布教活動を行い、またその間全米アマチュアダンス選手権チャンピオンに輝くなど、素晴しい経歴の持ち主ですが、この経験でお寺の役割を再認識したそうです。
最近の地域間、そして家族間の希薄になった人と人との繋がりを、取り戻す中心にお寺はなるべきであり、地域社会により関わっていくべきと考えてらっしゃいます。
俳句大会や大晦日のイベントもその一例で、お寺を「公共的聖空間」と位置付け、もっともっと地域の人が集まる場所とするため、日々邁進しています。また、最近は著書を上梓。「隋流去」(MOKU出版)人生をより豊かにして頂ける一冊です。
長光寺
埼玉県行田市大字須加4621
℡048-557-2591
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