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【社長コラム132】人を恃むは自ら恃むにしかず~杜子春の気持ち~
仕事上でちょっとしたトラブルが起きた。
数年前にA社に依頼した〝商品〟に不備があることを指摘された。
その〝商品〟は当社がB社に作らせたものを参考にとA社に依頼した経緯がある。
不備を指摘されたので、その対処をA社に問い合わせたところ、
B社へ問い合わせてくれと逃げ腰だ。
B社の〝商品〟はまったく問題もなく、A社が作った商品に不備があったのに、責任転嫁も甚だしい。
既に過去担当してくれた責任者も退職し、会社としては面倒なことを持ち出さないでくれ、いわんばかりだ。
そこでC氏に相談にした。
C氏はA社もB社もともに紹介してくれたコンサルタントだ。
しかしC氏の回答も門前払いと同様だった。
A社も自分も、その〝商品〟をきちんとチェックしなかったのが悪い、というのだ。
確かにそうだ。
しかし、そう言うC氏も当時、当社のコンサルタントとしてその〝商品〟を自分と一緒に目をとおしていた。
だがコンサル契約が切れた今では「知らぬぞんぜん」と、冷たくつけ離す。
A社もC氏も「今になってやっかいごとに巻き込まれるのはご免だ」という意図が透かして見える。
とはいうものの、「だいたい人なんてこんなもんだよな」、と憤りも感じない。
芥川龍之介の『杜子春』でも、主人公にお金があるときは周囲に人が集まってきたが、
無一文になるとパッといなくなり、またお金が入るとワッと寄ってくる・・・という場面が繰り返しあった。
現実ではそのような場面は、日常茶飯事だ。
古人も
人を恃(たの)むは自ら恃むにしかず
人の力をあてにするこなく、自分の力をたのめ、と言っている。
今回のトラブルもきちんと整理し、対応していきたいと思っているが、
こちらが精査すればするほど、逃げ切れろうとする人にも、なんらか形の責任が発生する気がする。
世知辛い世の中であるが、
少なくとも自分のお客さん、そして社員たちには、
責任逃れをするような仕事はしたくないなと思うのである。
株式会社ヨコカワ 代表取締役 横川英士
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