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【社長コラム170】経営理念は代々続く性格である

2021年1月12日
【社長コラム170】経営理念は代々続く性格である

昨日のブログでも書いたが、経営理念の定義は人によって様々で、
企業理念との違いもあいまいだから惑わされることも多い。
だから個人で勝手に解釈して進めていくしかないのだが、
ここではウィキペディアに則って
「経営者が変わったとしても、長期にわたって受け継がれる不変的・持続的なものである」
ということから始める。
当社の場合、創業は明治中期ににまでさかのぼる。
当時、足袋産業が盛んだった行田市に自分の曾祖父が原料商、
ひらたく言えば足袋になる生地のリサイクル事業を始めた。
今考えるとエコロジーの先駆けになるかもしれない。
最盛期の行田は国内の90%のシェアをもっていたというから
関連する曾祖父の仕事も順調に推移していった。
従業員も多く雇用し、母が幼少の頃まで自宅にはお手伝いさんもいた。
丸井商店 (640x500)
写真は足袋の生地を蔵から出して運び出すところのスナップ。
後方の荷台に学生服を着た祖父がいるので大正の頃だと思う。
当時は電車が走ってなく、馬車に乗せて国鉄の駅まで移送していた。
一代でここまで築いた曾祖父だったが、ここに至るまでは苦労が多かったようだ。
小学校も卒業することもできないまま、ずっと働きづめだったらしい。
だから仕事に対する姿勢はマジメでストイックだった。
当時の日本は世界恐慌前の好景気。投機熱も熱く、行田でも証券会社が次々と建った。
ある証券会社の社長は、菩提寺に多額の寄付をし、自分の父親を地蔵尊として祀るようにしてしまったほどだ。
そのような環境のなか、曾祖父は
「お金というものはコツコツ働いて得るものだ。楽して儲けてはいかん」
と言って投資には興味を持たなかったようだ。
そんな堅い考えの半面、周囲からお金の無心をされると、貸出ししてしまうので「仏の富蔵」と呼ばれるほどだった。
こんな曾祖父のマジメで誠実なことに共感した人が、一緒に働いて会社を支え、
取引先からも永く信頼を頂けたようだった。
当社の経営理念は、そこが原点である。
昨日も書いたが、経営理念は会社の「性格・心」だから
曾祖父の仕事にマジメで人に誠実、従業員ともお客様ともいい関係を続けようとする性格がそのまま引き継がれて、
生業とする商売が変わっても、会社の理念として残っているのである。
おかげで今でも共感してくれたいい社員に恵まれ、
お客様にも支持され続けている地元企業になっている。
先祖に感謝感謝である。


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