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【社長コラム146】迂を以て、直となす ~墓地の選び方~
今日突然、霊園業者が来た。
キャンセルされた1区画を特別価格で販売するので、お客を紹介してほしい、という。
話を伺うと、その物件は、自分の墓として購入していた方の区画だった。
5年後の現在、ご本人がお亡くなったが、残された家族はその霊園に埋葬する気はなかった。
そこで「返品」ということになったのだが、
すでに契約はされていたので、購入の際に支払った「墓所使用料」と毎年の「管理料」は戻ってこない。
幸い建墓されていなかったので、数百万に達することはないが、
それでも安くはない金額を無駄にしてしまったことになる。
何よりも残念なのは、
本人はきっと、残される家族に迷惑かけないようにと、自分のお墓を用意していたことが伝わらなかったことである。
実はこのような話は葬儀の際にときどき、耳にする。
両親が生前、近所のお寺にお墓を建てたが、
遠方に住む子供たちにはお墓詣りもできないので、結局埋葬することなく墓じまいすることに。
建墓した費用に加え、離檀料もかかり、高額な負担が必要になった、という話。
高齢になった自分たちのソナエ、つまり終活に取り組むことはいいことだが、
家族と慎重に検討することもなく、急いでお墓を用意することは、
お金をドブに捨てることになり、さらに改めて墓地を探し購入しなくてはならず、手間も時間も要することになる。
迂(う)を以て、直となす
いわゆる「急がば廻れ」の意味だが、
ゆっくり家族と相談し、じっくり墓所を下調べのうえ、
10年後、20年後の遠い先も見据えて、お墓の購入に至るほうが、
お金も手間も時間も最もかからない方法だ。
株式会社ヨコカワ 代表取締役 横川英士
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