【社長コラム135】大行は細謹を顧みず ～不器用な男の付き合い２～

仕事をブッとうして５時間、続けるとどうなるか。
集中力は欠け、ヘロヘロになっている。
しかし飲み会を19時から始めて気が付くと24時に経っているときは？
意外とまだまだいけそうな気がするくらい、周囲の盛り上がりに呑まれている。
だがこれがいけない。
消耗された体力は次の日に影響を表し、
確実に翌日の働きのパフォーマンスを落とす。とくに歳を重ねた今はなおのこと。
だから２次会、３次会と誘われても、行きたい気持ちをグッと抑える。
「付き合いが悪い」と言われようと、背を向けなければならない。
こんな時、思い起こすのが「鴻門の会」での劉邦と項羽のエピソード。
勢力を着実に上げている劉邦に対し、酒宴のさなかで暗殺を企てていた項羽。
たまたまトイレに行った劉邦が、虫の知らせか、そのまま立ち去ろとした。
しかし、義理固い劉邦、一言挨拶してから暇を乞ようとするが、腹心に止められる。
大行（たいこう）は細謹（さいきん）を顧みず、大礼は小譲（しょうじょう）を辞せず
・・・大きな事を成し遂げようとする者は小さなことにこだわらない。
しっかり礼節を守っている者ならば些細な謙遜など必要としない・・・
そしてこっそり逃げ出すことで劉邦は生きながられ、数年後項羽を滅ぼし漢王朝を建国する。
自分も楽しい飲み会から、後ろ髪を引かれる思いで退散するとき、
この言葉を思い起こすようにしている。

株式会社ヨコカワ 代表取締役 横川英士
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