【社長コラム140】蚤く姦の萌を絶つ ～お葬式の詐欺～

新聞のお悔み欄を見て手紙を送りつける詐欺があったと、
ニュースで取り上げられていた。
「死亡した夫の違法なわいせつDVDを預かっている。
警察に提出されたくなければ利用料金を振り込め」といもの。
人の不幸に付け込む、実に卑劣な犯罪だ。
同時に故人の尊厳を侮辱していることになる。
我々は仕事上、大切な家族を喪った遺族の姿を目にしている。
看病、看取り、そして葬儀と続き、心身が憔悴され、判断力も鈍っている。
突然に亡くした方ならなおさら、悲しみのあまり気が動転し、冷静さを失っている方もいる。
そんなところへ、このようなデタラメの手紙を送りつけてくることに、強い憤りを思う。
逮捕された男は、いわゆるオレオレ詐欺グループではなく、無職のつまらない小人のようだ。
ただ、昨今の詐欺グループの暗躍と、新聞の訃報欄を見て
「オレも・・・」という気持ちが沸いたのではないか。
そうなると今後、このような弱者をターゲットにした素人の詐欺が増えるだろう。
高齢者はますます増えるし、亡くなる方も比例する。
蚤（はや）く姦の萌（め）を絶つ
悪の芽は早く摘み取れと古人も言っている。
いや、もう遅いのかもしれない。
今やお年寄りのお宅に電話をかけても、居留守を使われる。
詐欺の電話がかかってくると思われているのだ。
人を見たら泥棒と思え、ではないが、
信頼が薄れ、疑心暗鬼の荒んだ社会を感じせずにはいられない。

株式会社ヨコカワ 代表取締役 横川英士
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